2016年8月21日 医療講演会

注意:データは当時のものです

 

三重大学付属病院

消化管・小児外科 大北先生 医療講演会

三重大学 消化管・小児外科 全医師31名 IBDチーム 荒木・大北・重盛・近藤・浦谷

担当患者数:20名(内5名 IBD) 4歳、5歳などのIBD患者は小児外科と連携してサポート

 

炎症性腸疾患

・潰瘍性大腸炎 最初の報告例 1888年 ・クローン病 1932年

 

IBDの有名人

潰瘍性大腸炎 ジョン・エフ・ケネディ クローン病 ドワイト・D・アイゼンハワー

患者数 世界で2番目
人口当たりにするとまだ少ない方

潰瘍性大腸炎 17万人 クローン病 4万人

直腸型 25.1
小腸型 25.7
小腸大腸型 

寛解導入:5ASA(軽症時)・ステロイド(重症時)

潰瘍性大腸炎の手術適応
絶対的適応(大量出血など命に関わる場合)
相対的適応(内科的治療では限界がある場合)
潰瘍性大腸炎患者の20%は手術を受けている(15年以降は手術率が安定)
2005年以降、手術率はそれ以前と比べて低下

2016年8月21日

Jポーチ手術
一回でやる場合 リスクが高い(縫合不全等があった場合) 二回でやる場合 一番多い(1回目から二回目の手術は最低3ヶ月空ける) 三回でやる場合 命の危険があり、重症の患者であれば三回に分ける

Jポーチ嚢炎が一番起こるのは2年以内、全体の30% J型に形成した小腸をお尻と繋げるが、繋げた部分は非常にデリケートなので 時間をおいて、きちんと接合できたかどうかを確認してから便を流す その間は人工肛門をつける

三重大:IAAが基本

IRA:直腸部分を多く残す IACA:直腸部分を若干残す IAA:直腸部分を一切残さない

根治度はIAAが一番高いが、手術が極めて困難である

J型回腸嚢のJとは
・JapanのJ ・兵庫医科大学名誉教授 宇都宮 譲二先生の J

三重大学:潰瘍性大腸炎に対するう325例の手術実績
永久人工肛門になったのは10例のみ

排便回数 ・排便回数 5-6

腹腔鏡手術

クローン病
MRエンテログラフィ ダブルバルーン小腸内視鏡 下部消化管内視鏡(大腸カメラ)

クローン病
炎症→狭窄→穿通
薬を使っても⇦には戻らない

 

クローン病の手術例:419例 手術理由
狭窄:57.2

小腸の役割
栄養吸収:100% 水分吸収:90-95% (大腸 4~5%)

誤解が多いが、水分の吸収は小腸が大部分行っている

短腸症候群になる目安:2m 病変を最小限取れば再発率は変わらない(多く切除しても意味がない)

30%~50%が痔瘻を合併する クローン病痔瘻症例で人工肛門が造設されるとほとんど永久人工肛門 手術後にレミケードを導入することで再発を予防している

クローン病における食事療法

・クローン病を治癒させる、あるいは改善させる確実な治療法はない ・活動期には消化管に炎症があることを考慮して食事内容を選択する ・炎症が高度な場合

活動期クローン病に対するエレンタールの寛解導入効果はステロイドと同等かやや劣る 全エネルギー摂取量の半分をエレンタールだけでは難しい

手術を受ける時期(潰瘍性大腸炎 大腸全摘)
もし、もう一度手術の時期を変えられるなら?
もっと待てば 0
同じ時期   47%
もっと早く  53%
会場アンケート(潰瘍性大腸炎)
手術経験8名
もっと待ってから 2名
同じ時期     2名
もっと早く    2名
未回答      2名